子どもと一緒にデュエマをサーチ。重さか?厚さか?

デュエマレアカード重さ厚さ分布

少し遅くなったけど、夏の終わりの出来事を記事にしてみる。小4の長男が、夏休みが終わろうとしているのに「自由研究ができていない」とか言い出した時の話。

長男は夏休み中、小学生に大人気のトレーディングカードゲーム「デュエルマスターズ」(通称:デュエマ)にずっと、もう本当にずっとずっとずぅっとドハマりし、やれ学童でレアカードを取られただの、やれ友達と有利な取引でレアカードをゲットできただのと、聞いてもいないのに言い出しては、その度ごとに僕や奥さんから「それより宿題は終わったのか」返され、うにゃうにゃ言って切り抜けてきたのだった。

だがいよいよ年貢の納め時。当然、怒られることになる。「だから言ったじゃないか、デュエマばっかりやってるからだ、もういっそデュエマを研究して提出しなさい!」と叱りつけてみてから、「それって面白そうかも」とか思ってしまい助け舟を出してしまった次第である。

レアカードは重さと厚さで見分けられるに違いない!

 デュエルマスターズは1つの袋に5枚のカードがパックされている。外から見るとどのパックにレアカードが入っているかはわからない。だけどデュエマに限らず、トレーディングカードを触ったことがある人なら誰でも気づくことだが、「レアカードは明らかに重く、厚みがある」のである。であるならば、ちゃんとした計器を用いれば、パックの中を開けなくてもレアカードを見つけ出せるに違いない。そして、たまたまだがそれにうってつけの器具を僕は持っていた。

これでパックを開けずにレアカードを見つけてやろうという研究だ。ちなみにこのように中を開けずにレアカードがどうかを探ることを「サーチ」と呼ぶらしい。 さて、使用する器具を紹介する。

まず、0.01グラムから重さを計測できる精密計量器。体重が気になってカロリー計算のためにアマゾンで購入したばかりだった。もちろん。0.01グラムの精度でカロリーコントロールをしたかったわけではない。金属でできていて清潔に扱えそうなことと、コンパクトであることが良いと思って買ったものだ。確か千円ちょっとだったと思う。(写真1)

Angeno デジタルスケール

次に、0.1ミリから厚さを測定できるダイヤルシックネスゲージ。モノタロウのクーポンで何を買うか迷いに迷っていた時に、レザークラフトのブログで「便利!」との記載があり血迷って購入したもの。革漉きなんてしたことないのにである。なお、お値段は5千円ぐらい、クーポンのおかげでそれよりは確か安かった。(写真2)

モノタロウ ダイアルシックネスゲージ

さっそく測定開始!

ちょうど新しいデュエマのシリーズ「DMRP-06 双極篇 拡張パック第2弾 逆襲のギャラクシー 卍・獄・殺!!」とやらが1箱分、我が家に届いていた。長男の誕生日プレゼント。だが宿題が終わっていないので開けてはならないという命が下っている「お預け品」。(写真3)

デュエルマスターズ DMRP-06

 

長男は宿題をするというよりは、デュエマの中を早く見たい一心で測定を自ら願い出て、かくして研究が開始されたのである。

まずパック一つずつに重さと厚さを記録し、これを記入したふせんを貼っていく。(写真4)

デュエルマスターズサーチ実験風景

特に難儀したのは重さだ。0.01グラムというのは風が吹いてもずれてしまう。そのため1つのパックの重さを何度か量り、最も多かった数字をパックの重さとすることにした。1箱に30パックも入っているので、この作業に意外なほど時間がかかった。それに比べると厚さのほうは、かなりたやすい印象だった。計器の値段の違いも大きいのかもしれない。

 そして結果がまとまる

30パックの重さと厚み、開封した際の中身はそれぞれ表のとおりとなった。デュエマのカードにはそれぞれカードの最下欄にそのカードがどれぐらいレアかを表す「レアリティ」という記号がついている。それを確認してまとめたものが表の「内容」欄である。(図1)DMRP-06 開封結果

1パックには必ず最低1枚の「レア」が入っており、これは必ず5枚のカードの一番下になっていた。子どもが順番に見たときに、最後に喜びが大きくなるようにという配慮だろうか。だが一般にはレア1枚だけのパックは「外れパック」だろう。単なる「レア」は普通のカードと外見上の違いはない。子どもたちが「レア」と呼んでいるカードは、キラキラ輝くホログラムなどが貼りつけてある「ベリーレア」「スーパーレア」「マスターレア」などである。今回の30パックの中には、この中では最上位の「マスターレア」が2枚、これに次ぐ「スーパーレア」が3枚、「ベリーレア」が「6枚」入っていた。また1枚だけ「ウルトラゴールデンカード」なるものが入っていた。子どもに聞いたところでは「昔レアじゃなかったカードがレアになったやつ」とのこと。なんとなくレアリティのヒエラルキーとは別のもの(だけどカードはキラキラ光っているやつ)と理解している。(写真4)

最終的にまとめた図を公開しよう。

まず「マスターレア」が入っているパックは「重さ」「厚み」がともに高くかえって見分けやすい。一方、「スーパーレア」「ベリーレア」「ウルトラゴールデンカード」が入っているパックはそのどれかを見分けるのはかなり難しいようだ。また「重さ」より「厚み」のほうが信用できると感じた。これは千円と5千円の器具の精度の問題もあるのかもしれない。だが、そもそも「重さ」より「厚み」のほうが変化が生まれにくく「はかりやすい」のだ。重さの測定は0.01グラム単位となると、どうしても風の影響を受け変動が出てしまう。その点、厚みの測定は、ベリーレア以上とそれ未満とでは0.1ミリ明らかに異なっている。(図2)


デュエマレアカード重さ厚さ分布

 まとめと後日談

 ということで結論は以下のとおりとなった。

  •  マスターレアは「重さ」が通常のカードより0.050.3グラム重く、さらに「厚み」が通常のカードより少なくとも0.3ミリ厚い。そのため見分けやすい。
  • 重さと厚みだけでベリーレア・スーパーレア・ウルトラゴールデンカードを見分けることはできないが、これらのカードは通常のカードより少なくとも0.1ミリ厚い。
  • レアカードのサーチは変動が生まれにくい「厚み」にて行うほうが確実。

 素晴らしい結果が出たので、「これをまとめたら自由研究は終わりだね」と長男に話したところ、「これはふざけていると思われるので嫌だ」とか言い出した。それで別の実験を慌てて行って9月に登校していった。

あの暑い夏の日の実験は何だったのか。こうしてブログで日の目を見られたので、まあ良しとすることにする。

 

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